eスポーツの世界では、わずかな“音の差”が勝敗を決めることもあります。足音の方向、銃声の距離、味方との連携――これらを正確に聞き取るために欠かせないのが「ゲーミングヘッドセット」です。
しかし、製品ごとに音質やマイク性能、装着感は大きく異なり、選び方を間違えると実力を発揮できません。この記事では、プロ愛用モデルや大会採用機種を中心に、eスポーツで本当に役立つヘッドセットを徹底解説。
初心者向けから上級者向けまでを用意しているので、ぜひヘッドセット選びの参考にして、自分のプレイスタイルに合った“勝てる一台”を見つけてみてください。
勝利と快適なプレイ環境を手に!
eスポーツに最適なゲーミングヘッドセットとは?


プロが重視する3つの性能要素
eスポーツでは、単に「音がいい」だけでは不十分です。プロが特に重視しているのは、次の3つです。
- 定位感(方向感覚)
敵の足音や銃声がどの方向から聞こえるかを正確に把握する力。これが優れていれば、見えない敵の位置を瞬時に察知できます。
7.1chや3Dサラウンド対応モデルは、音の奥行きを再現できるため、特にFPSやTPSタイトルで有利になります。 - マイク性能
チーム戦では、声の明瞭さが命。ノイズキャンセリングマイクを搭載したモデルなら、環境音を抑えてクリアな音声を届けられます。
声の遅延が少ないヘッドセットは、連携が取りやすく勝率アップにつながります。 - 装着感・軽量性
大会や長時間練習では、何時間も装着するのが当たり前。350g以下の軽量モデルや柔らかいイヤーパッドを選ぶことで、疲労を大幅に軽減できます。
eスポーツ大会で採用されるブランドの共通点
多くの大会では、Logicool G・Razer・SteelSeries・HyperXといったブランドが採用されています。これらのメーカーは、音の精度や耐久性、そして遅延の少ない通信性能に定評があります。
特に大会現場では有線モデルが主流。理由は、無線に比べて安定性と遅延の少なさが確実だからです。つまり、eスポーツに適したヘッドセットとは「定位・通信・快適性」の3要素をバランスよく備えた製品なのです。
eスポーツで勝つためのヘッドセット選び方ガイド
音質・定位性能をチェック
FPSでは「音で敵を追う」ことができるほど、音質は重要です。特に7.1chや3Dサラウンドサウンド対応モデルは、まるで音が立体的に感じられるのが特徴。
また、ドライバー(スピーカー部)のサイズにも注目しましょう。一般的に50mm以上の大型ドライバーは、低音の迫力と方向感の両立に優れています。
ジャンル別の傾向としては――
- FPS/TPS:足音や環境音を重視。高精度な定位感を持つモデルが最適。
- MOBA:ボイスチャットの聞き取りやすさ重視。中音域が明瞭なタイプが合います。
- 格闘・レース:臨場感や迫力を重視するなら重低音が強いモデルが良いでしょう。
マイク性能と通信安定性も重要
eスポーツはチームプレイが基本。どんなに上手でも、声が届かなければ意味がありません。ノイズキャンセリングマイクを搭載したモデルは、周囲の雑音を除去し、味方に自分の声だけを届けます。
また、有線モデルは通信の安定性が高く、遅延ゼロで確実な声のやりとりが可能です。
ただし、最近ではRazerの「Hyperspeed」やLogicoolの「LIGHTSPEED」など、無線でも遅延がほぼ感じられない技術が進化しています。自分のプレイ環境に合わせて選ぶのがコツです。
長時間プレイでも快適に使える設計を見極めよう
軽量&高耐久素材のチェックポイント
長時間の練習や大会では、ヘッドセットの軽さが集中力を左右します。理想は350g以下。特にヘッドバンド部分が柔らかいモデルは、頭頂部への負担を減らせます。
また、イヤーパッドの素材も大切です。メモリーフォームや通気性の高いファブリック素材なら、汗をかいても蒸れにくく快適です。
さらに、耐久性にも注目しましょう。金属フレームや強化プラスチックを使ったモデルなら、持ち運びや大会移動でも安心です。
装着感テストと調整機能の重要性
人によって頭や耳の形は違うため、調整しやすさは大事なポイント。スライダー式や回転ヒンジを備えたモデルなら、自分に合わせて微調整が可能です。
また、パーツの交換性も確認しましょう。イヤーパッドが交換できるモデルは、清潔さを保ちつつ長期間使用できます。
「軽い・柔らかい・調整できる」この3条件が、快適な装着感の目安です。
プロ仕様の人気eスポーツ向けヘッドセット5選(最新版)
Logicool G PRO X 2 LIGHTSPEED
接続方式 | 2.4GHzワイヤレス Bluetooth 3.5mm有線 |
| ドライバー | 50mmグラフェンドライバー |
| 音響技術 | DTS Headphone:X 2.0 |
プロゲーマーとのコラボで設計。ワイヤレスながら遅延ほぼゼロのLIGHTSPEED接続を実現。
DTS Headphone:X 2.0による立体的なサウンドで、敵の位置を正確に把握できます。重量わずか345g、クリアなマイク音質も魅力です。
SteelSeries Arctis Nova Pro Wireless
接続方式 | 2.4GHzワイヤレス Bluetooth USB有線 |
| ドライバー | 40mmネオジムドライバー |
| 音響技術 | 360°Spatial Audio |
高解像度サウンドとAIノイズキャンセリングマイクを備えた万能機。
FPSだけでなく、配信や音楽鑑賞にも最適。2系統の入力に対応可能な「マルチシステムコネクト」と高級感あるデザインが人気の理由です。
Razer BlackShark V2 Pro
| 接続方式 | 2.4GHz、Bluetooth |
| ドライバー | TriForce チタン50mmドライバー |
| 音響技術 | THX Spatial Audio |
軽量構造とTHX Spatial Audioによる正確な定位で、eスポーツに特化したモデル。
特にFPSタイトルとの相性が抜群で、トッププレイヤーにも対応。ワイヤレスでも安定した接続が特徴です。
HyperX Cloud III
| 接続方式 | USB、3.5mm有線 |
| ドライバー | 53mmドライバー |
| 音響技術 | DTS Headphone:X 2.0 |
快適な装着感と安定した音質で、長時間プレイにも最適。
低音が心地よく、ゲーム内の臨場感をリアルに再現。知名度の高いHyperXの製品で、配信や大会でも見かける定番中の定番といえます。
SONY INZONE H9 Ⅱ
接続方式 | 2.4GHzワイヤレス Bluetooth 3.5mm有線 |
| ドライバー | 30mmソニー独自開発ドライバー |
| 音響技術 | 360 Spatial Sound for Gaming |
ソニーの360立体音響技術で、圧倒的な立体感。
プロのVALORANTチーム、Apex Legendsチームとイコライザープリセットを共同開発。無線でも高い安定性を誇るハイエンドモデルです。
プロが実践するヘッドセットの設定・使いこなし術


サウンド設定の最適化で“音の見える化”を実現
どんな高性能モデルでも、設定次第で性能は変わります。Windowsの「サウンド設定」や「DTS:X」「Dolby Atmos」などを活用し、自分に合った音のチューニングを行いましょう。
FPSなら中高音域を強調し、足音を際立たせる設定が有効です。ゲームごとにEQ(イコライザー)を変えることで、環境音やボイスの聞き分けがより正確になります。
マイク設定とチーム連携を強化するポイント
マイク音量やノイズ除去設定も軽視できません。DiscordやOBSなどの配信ソフトでは、ノイズリダクションやゲイン調整を適切に行いましょう。
また、チーム練習では「聞き取りやすい声のトーン」も意識することが大切。プロ選手は音質だけでなく、話し方やマイク位置まで最適化しています。
有線とワイヤレス、どっちがeスポーツに向いている?
有線ヘッドセットのメリットと注意点
有線モデルは遅延が極めて少なく安定性が高いのが特徴。大会会場など、絶対に通信トラブルを避けたい環境に向いています。
一方で、ケーブルが煩わしいと感じる人も多く、断線リスクがあるため取り扱いには注意が必要です。
ワイヤレスヘッドセットの進化と活用術
近年はワイヤレス技術が大きく進化。2.4GHz帯通信や独自規格(LIGHTSPEED、Hyperspeedなど)により、ほぼ遅延ゼロで安定した通信が可能です。
デスク周りがスッキリし、集中力が上がるというメリットも。充電忘れ対策として、使用後は常にドックに置く習慣をつけると安心です。
こんな人におすすめ!
eスポーツ向けゲーミングヘッドセットは、以下のような方に特におすすめです。
- FPSやVALORANTで勝率を上げたいプレイヤー
- チーム戦・ボイスチャットを多用するゲーマー
- プロ志向で大会や配信を視野に入れている人
- 快適な装着感で長時間プレイしたい人
- 音質・マイク・デザインの全てを妥協したくない人
注意点・デメリット
プロモデル=必ずしも万人向けではない
プロ向けモデルは高精度すぎるあまり、音が繊細すぎて一般ユーザーには扱いづらい場合もあります。また、締め付けが強めの設計や高価な価格帯もネックになりがちです。
自分のプレイ環境とレベルに合わせて選ぶことが大切です。
ワイヤレスモデルの電池管理
長時間配信や大会では、バッテリー切れが致命的。使用前にフル充電、もしくは予備ケーブルを常備しておきましょう。
最近では急速充電対応モデルも増え、15分で数時間使える製品も登場しています。
まとめ
eスポーツでは、音の情報をどれだけ正確に掴めるかが勝敗を左右します。高い定位性能とマイク品質、そして快適な装着感を兼ね備えたヘッドセットを選ぶことで、プレイの精度は確実に上がります。
特にLogicool GやRazerなど、プロが信頼するブランドのモデルは、性能と安定性の両立が魅力です。音で“見る”感覚を手に入れれば、相手より一歩先を読めるようになります。
自分の耳に合う理想の一台を選び、勝利のための音を味方につけましょう。





